太刀岡山 クラック(初級プラン)

身近にあるクラックで実践練習

太刀岡山 クラックルート

この日のPOCSは甲府市街からほど近い太刀岡山で、ハンドサイズクラックの練習を目的とした半日プラン。半日ですが、これが逆に都合がつけやすいと好評だったのと、POCSで初めてご案内するルートだったこともあり、募集定員いっぱいのお申し込みをいただきました。

課題となるクラックルートは3本。太刀岡山左岩稜ルートの1ピッチ目の5.9は、やや広めのハンドサイズクラックで、中段から上部はひときわ美しいラインのグッドルートです。またすぐそばには、織姫クラック(5.10a)彦星クラック(5.9)という短いながらも綺麗に割れたラインがあります。あまり知られてはいませんが、この2つのルートもクラック初級者の練習には良い課題です。

今回の講習ではこの3本を課題に集中的に登り込んでジャミングテクのボトムアップをはかりつつ、中級レベルの生徒さんはリードの完登を目標に取り組んでいただきました。

季節は梅雨前。この日は甲府で29℃を記録する暑い日でしたが、太刀岡山下部岸壁エリアは大きな木陰に覆われて意外と涼しく、クライミングには問題ない気候でした。

各ルートの指導内容

太刀岡山 彦星クラック

  1. 織姫クラックはオフセット(段差)したハンド~フィンガーサイズクラック。Tr.で登るなら段差をレイバックで一気に超えるムーブがベターですが、リードではプロテクションセットがあることを考えると、やはりジャミングをして登ることを目指します。ただノーテンションで登れれば良いということではなく、時間がかかっても地道な練習を重ねることでこそクラックの地力が育まれます。

  2. 彦星クラックは割れ目以外のホールドに乏しく、ごまかしの効かないジャミング度の高いルートです。前進には確実なジャミングと手足のコンビネーションが必要で、ほとんどの生徒さんがテンションを入れてしまいます。ここではハンドジャムだけでなくフットジャムについて細かなアドバイスをしながら繰り返し練習してもらいました。結果、夕方にはみなさんフォームに安定感が出てノーテンションで登る場面もありました。

  3. 左岩稜ルートの1ピッチ目はワイドハンドのジャミングとフットジャムをどう決めるかが鍵になります。クラックは中で曲がっているので、順手で決めるか逆手にするかも迷うところ。手の大きさによっても決め方は変わってくるので、ここは自分のベストムーブが固まるまでしっかり練習していただきました。そして、お二人がリードでの完投に成功!! ここを安定して登ることができると、トータル9ピッチに及ぶこの左岩稜ルートのリードも視野に入ってきますね。

太刀岡山 左岩稜 1ピッチ目

短い時間でしたが、生徒さんにはみっちり濃密な練習を積んでいただけたと思います。

POCSでは今後も人ぞ知る近くて良い岩場とルートをご案内しながら、みなさんの上達を後押ししていきたいと考えています。秋にはまた同様のプランを企画したいと思いますので、ご興味ある方はぜひご参加ください!

  • エリア : 太刀岡山 下部岸壁エリア
  • 期日 : 2022年5月29日(日)
  • 受講者人数 : 5名
  • インストラクター 山森政之(記)